大阪の危機/大阪が持つ潜在可能性政策

大阪の危機

大阪の危機は深刻である。府内総生産はこの10年で2.41兆円減少している。
一人当たり県民所得も平成8年の357万円から平成18年の308万へ約50万円減少している。大阪市だけみれば減少の幅はさらに大きく約68万円となっている。
東京と比較すると大阪市の凋落ぶりは鮮明さを増す。平成8年の大阪市の一人当たり所得は412万円で、東京の427万円と遜色なかった。ところが、平成18年には東京482万円に対し大阪市344万円と約140万円もの差がついてしまった。
優秀な人材の流入や将来性のある企業立地を促すこともできず、企業流出に歯止めをかけることもできなかった。その結果、多くの生活指標が悪化し(全国最高の生活保護率、低い消費支出、高い完全失業率等)、貧困家庭の子弟が十分な教育を受けられず、そのため世代を超えて貧困から抜け出せない、いわゆる貧困の再生産という最悪の事態が進行している。

国家自体も未曾有の危機に瀕している。2010年の国・地方を合わせた財政収支赤字はGDP比で10%程度にまで拡大し、公的債務残高はGDP比で200%にも達すると予測されている(OECD推計)。政府は全国一律のバラマキ(再分配政策)を始め、財政赤字をさらに拡大させようとしている。日本経済はまさに破綻への道を転がり落ちている。しかし、中央の政府も政党も危機の深刻さを理解しようとせず、どのように窮状から抜け出すのか短期的なビジョンも示せずにいる。

大阪が持つ潜在可能性

大阪は一地域でありながらアジアや中東の中規模国家、例えば台湾やサウジアラビア並みのGDPを擁している(府内GDPは約38兆円)。
環境、エネルギー、エレクトロニクス等の分野では世界をリードする技術を誇り、産業基盤も充実している。これからの日本経済を牽引できる潜在可能性は十分ある。
しかしながら、市町村は旧来の地域経営モデルとフルセット主義を改めることもなく、また広域的な調整も十分に機能していないため、府市を初め様々な取り組みがバラバラで、その潜在可能性を十分発揮することができないでいる。いまこそ、地域が自らの発展を戦略的に目指すことのできる枠組みを構築する必要がある。